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高橋由伸も菅野智之も手にできず。平成以降のハイレベルな新人王争いBEST5 (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • photo by Sankei Visual

●第3位 1999年
圧倒的な成績の上原&松坂が受賞も、ルーキーの活躍が目立った

 20勝を挙げた巨人の上原浩治と、16勝を挙げた西武の松坂大輔が新人王を勝ち取ったが、タイトルを逃した面々も、例年の受賞者と遜色がない成績を残している。

 星野仙一監督の元で11年ぶりにセ・リーグ優勝を勝ち取った中日では、2人のルーキーが躍動した。

 主にクリーンアップを任された福留孝介は、打率.284、16本塁打の活躍。三振の多さ、ショートの守備など粗さも見られたが、高校3年時の1995年に7球団から1位指名を受けた(近鉄の指名権を獲得するも入団を辞退)実力の片鱗を覗かせた。そして、140キロ代後半の速球とスライダーが武器だった岩瀬仁紀は65試合に登板。抑えの宣銅烈につなぐセットアッパーとして活躍し、10勝をマークするなど優勝の原動力となった。

 その中日に次ぐ2位の巨人では、長くショートを担っていた川相昌弘に代わって、二岡智宏が台頭した。上原と共にチームに欠かせない存在となった二岡は、芸術的な右打ちで打率.289、18本塁打をマークしている。

 そして最下位に終わったものの、野村克也監督の就任が話題になった阪神では、広陵で二岡のチームメートだった福原忍がリリーフとして54試合に登板。10勝、9セーブを挙げる活躍を見せ、技巧派が揃っていた中継ぎ投手陣の中で存在感を示した。

 パ・リーグに目を移すと、デビュー戦の圧巻のピッチングの勢いそのままに16勝を挙げた松坂の活躍が目立ったが、その陰で日産自動車からオリックスに入団した川越英隆が11勝と活躍。リーグ2位の8完投を記録するなど、安定した投球で先発ローテーションを支えた。

 ほかにも、ダイエーの永井智浩と星野順治も10勝を挙げたほか、のちにロッテの絶対的守護神になる小林雅英も一軍のマウンドで結果を残した。

【セ・リーグ新人王候補 主な成績】
☆上原浩治・投手(大阪体育大→巨人)25試合20勝4敗 防御率2.09
他に獲得したタイトル・・・最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、沢村賞

岩瀬仁紀・投手(NTT東海→中日)65試合10勝2敗1S 防御率1.57
福原忍・投手(東洋大→阪神)54試合10勝7敗9S 防御率4.09
福留孝介・野手(日本生命→中日)132試合 率.284 16本塁打 52打点
二岡智宏・野手(近畿大→巨人)126試合 率.289 18本塁打 51打点

※投票結果:上原196票、岩瀬4票、福留1票

【パ・リーグ新人王候補 主な成績】
☆松坂大輔・投手(横浜高→西武)25試合16勝5敗 防御率2.60
  他に獲得したタイトル・・・最多勝、ゴールデングラブ、ベストナイン

川越英隆・投手(日産自動車→オリックス)26試合11勝8敗 防御率2.85
永井智浩・投手(JR東海→ダイエー)27試合10勝5敗 防御率3.06
星野順治・投手(NKK→ダイエー)22試合10勝8敗 防御率3.98
小林雅英・投手(東京ガス→ロッテ)46試合5勝5敗 防御率2.68

※投票結果:松坂150票、川越2票

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