斎藤佑樹「野球をやめなきゃいけないのか」。引退が頭をよぎり、重要な選択を迫られた (7ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)

「なぜなんでしょうね(笑)。野球だけは味方でいてくれるからなのかな。今の僕は、自分にできることをやるしかないんです。周りがどう思うのかとか、自分にコントロールできないことを考えても意味がない。自分なりに納得できることを、ブレずに続けていくしかないんです」

 11年目、一度も登板がなければ12年目はやってこないかもしれない。そんなことは斎藤が誰よりもわかっている。果たして、斎藤の復帰はいつになるのだろうか──。

「あの時までがリハビリで、今はもうリハビリは終わったとか、わかりやすく分けられるものじゃない。『ストリートファイター』のゲージみたいな感じなんですよ(笑)。満タンになったから実戦というわけじゃないし、減ってても実戦はできる。間違いなく言えるのは、試合で投げるのにそんなに時間はかからない、ということです。早ければ......」

 夏......かと思いきや、斎藤は笑った。

「そんなにかからないって言ってるじゃないですか」

 もちろん投げられるようになるのと、バッターを抑えられるのとは、別の話。投げて、抑えて、勝ててこその復帰である。それが2軍で叶って、ほどなく1軍で実現するのを、斎藤佑樹を応援し続けるファンは待ち望んでいる。今年のうちに、そんな日がやってくることを──。

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