田中将大と契約しなかったヤンキース。「第2エース」確立をどう考えたか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 最後に来年以降の可能性について触れておくと、キャッシュマンGMが「(田中復帰の)ドアが閉まることはない」と語っていたとはいえ、1、2年後にどうなっているかを想像するのは難しい。現在32歳の田中もさらに加齢する。単なる"メジャー復帰"ではなく、常に世界一を目指すヤンキースというチームとの"再婚"だけに話を限定すると、そのシナリオを想像するのは簡単ではない(今回はヤンキースに焦点を絞った仮定の話であり、「田中がメジャーではヤンキースだけを望んでいる」と断定したいわけではないことは断っておきたい)。

 ただ......今後の楽天での活躍と、その時の状況、互いが望む条件次第で、可能性がまったくないとはやはり思えない。安定感と勝負強さゆえに田中と比較されることも多かった左腕アンディ・ペティートの晩年のように、短年&出来高を基本とする契約での出戻りはあり得るのではないか。

 そのためには今後、日本のマウンドで田中が元気な姿を誇示するのが必須条件になる。だとすれば、依然として背番号19 に愛情を感じ、いまだに復帰を望んでいるニューヨークのファンからも、楽天での田中の登板は注目を集め続けるのかもしれない。

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