想定外だった巨人へのFA移籍。前田幸長に決断させた「監督」「お金」問題 (5ページ目)

「僕があまり好きでないのは、『戦力外』という書き方です。『自由契約選手にした』でいいと思います。『戦力外』だと必要とされていないようなので、そこは変えてほしいですね。FAも同じで、『宣言』という制度を変えたほうがいいと思います。球団との契約が切れたのだから、『フリーエージェント＝自由契約選手になります。交渉は自由にしてください』でいいと思う」

　首脳陣に起用法を訴えるだけでなく、トレードを志願してチームを移った。合わない監督がいるチームより、請われた球団でプレーしたほうがいい。

　自分にはどの程度の実力があり、どんな成績を求められるか。独り身なら好きなように生きればいいが、一家の大黒柱には家族を守る必要もある。その責務を果たし終えたら、少年のように夢見て行動を起こした。

　プロ野球で生き抜くために強い意思を持ち、主体的な選択を繰り返していく。そうした姿勢を貫いたからこそ、前田は幸せなプロ野球人生を過ごすことができた。