2020.12.18

来季ロッテの遊撃手争いが面白い。
ドラ3小川の守備には天性の才能がある

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Sankei Visual

 毎年12月、愛媛・松山に全国の大学野球リーグから推薦を受けた選手たちが集結し、翌年の「侍ジャパン大学日本代表」の選考合宿が行なわれるのが恒例になっている。

 大学球界の逸材たちが数多く集まり、しかも実戦形式の真剣勝負が見られる。普段なかなか見られない選手たちを間近で見られるとあって、毎年この日を楽しみにしている。今年はコロナ禍の影響により中止になってしまったが、ここ数年、この合宿が1年の締めくくりとなっていた。

ドラフト3位でロッテに指名された国学院大の小川龍成 とくに印象に残っているのが、昨年の合宿だ。参加した選手は49人。そのなかから、この秋のドラフトで指名されたのが22人(育成ドラフトを含む)。また当時、1、2年生で参加していた選手たちも、そのほとんどが来年以降のドラフト有力選手だから、それはすごい選手たちが集まっていた。

 なかでもすごかったのが内野陣だ。シートノックのメンバーは豪華絢爛だった。

 近畿大の佐藤輝明(阪神1位)と横浜桐蔭大の渡部健人(西武1位)がサードを守り、中央大の牧秀悟(DeNA2位)がセカンド。そしてショートには東北福祉大の元山飛優(ヤクルト4位)、国学院大の小川龍成(ロッテ3位)、九州産業大の児玉亮涼(大阪ガス)と"名手"が揃った。

 スピードと華やかさなら元山、素早さと正確さなら児玉......そして、それらのすべてを兼ね備え、さらに"風格"を漂わせていたのが小川だった。

 アマチュアの逸材のなかに、プロの一軍で4、5年もショートを守っている選手がひとり混じっているような感じだった。捕球してから送球までの一連の動きのなかで、頭の位置がまったく変わらないから目線がブレない。

 合宿が行なわれていた坊ちゃんスタジアムは土のグラウンドで、イレギュラーも普通に起こるが、その打球にも難なく反応するからファインプレーに見えない。どこに打球が来るのかあらかじめわかっているようなグラブ捌きは、プロでもそう見られるものではない。見ていてこれほど安心感のあるショートはそういるものではない。