2020.11.15

広島3位・大道温貴は驚異の奪三振率。
対戦相手「低めの直球が消える感じ」

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

「球場に来たお客さんを楽しませるピッチングがしたい」

 10月26日のプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープからドラフト3位で指名された八戸学院大学・大道温貴(おおみち・はるき)は、プロ入り後の目標のひとつにそれを掲げた。

広島からドラフト3位で指名された八戸学院大の大道温貴 今秋は、北東北大学野球の開幕戦となった岩手大戦のノーヒット・ノーラン(7回参考記録)に始まり、第3節の青森大戦の5安打完封、富士大学戦ではリーグタイ記録となる18奪三振をマークするなど、圧倒的なピッチングを披露した。

 ストレートの最速は150キロ。アベレージは145キロ前後だが、ベース付近でも威力が落ちないボールは目を見張るものがある。

「速いです。低めの球は昨年と違って、ちょっと消えるような感じもあって......」

 そう語ったのは、何度も大道と対戦経験があるノースアジア大の杉渕英佑だ。彼のポジションはキャッチャー。チームメイトには来年のドラフト候補で、147キロ右腕の中村彪(なかむら・ひょう)がいる。日頃から中村のボールを受けている杉渕からすれば少々のスピードボールには驚かないはずだが、大道のストレートは「消える」とまで表現した。

 今秋のリーグ戦で大道は36イニングを投げて60奪三振。奪三振率は驚異の15.00を記録した。

 10月31日に行なわれた東北地区大学野球王座決定戦の1回戦。「東北最強」の呼び声高い東北福祉大戦でもその実力を遺憾なく発揮した。5回からマウンドに上がった大道は、4番・小椋元太を得意のスライダーで空振り三振に仕留めると、この回だけで2つの三振を奪う。

 さらに7回から8回にかけては、佐藤悠輝、元山飛優、小椋、楠本晃希と4者連続三振。いずれも全国的に名の通った強打者ばかりで、元山にいたっては今秋のドラフトでヤクルトから4位指名を受けた選手である。

「(元山)飛優と楠本との対戦は本当に楽しかったです。お互いに連絡しあう仲で、意識していたので......」

 公私とも仲のいいライバルとの対決に思わず笑みがこぼれた。