2020.11.16

井端弘和が考えるセの今季MVPと新人王。「中日・大野は沢村賞も…」

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

井端弘和「イバらの道の野球論」(17)

 今季のプロ野球もレギュラーシーズンが終了した。ファンの中には、まだ確定していないタイトルの発表を心待ちにしている人も多いだろうが、中でも注目度が高いのは最優秀選手(MVP)と新人王だ。

 セ・リーグのMVPは最多勝と最高勝率の2冠に輝き、巨人をリーグ連覇に導いたエース・菅野智之、新人王は防御率2位で10勝を挙げた広島の森下暢仁を予想する声が多いが、そのふたりに続く選手は誰になるのか。球界を代表する名内野手として、中日と巨人で18年間活躍した井端弘和に話を聞いた。

巨人・菅野と共に沢村賞の候補に挙がる中日の大野雄大──巨人の菅野投手は14勝2敗、防御率2.04と文句のつけようがない成績を残しました。菅野投手以外で、井端さんがMVPにふさわしいと思う選手はいますか?

「中日の大野雄大ですね。球団の連続無失点記録を45イニングに伸ばし、チームを8年ぶりのAクラスに導いた立役者ですから。6敗(11勝)というのがどう評価されるのかはわかりませんが、10完投(うち完封が6)と148回と3分の2という数字はすばらしく、十分に沢村賞も考えられると思います」

──ピッチングで昨季と違ったと感じる点はありますか?

「昨季もノーヒットノーランを達成して最優秀防御率のタイトルを獲るなどしましたが、その調子がよかった時とほとんど変わっていません。ただ、今年は開幕からストレートの走りがイマイチで、しばらく調子が上がりませんでした。

 シーズン途中からの快投が最初からできていたら、セ・リーグの優勝争いがもう少し面白くなったかもしれません。シーズンのMVPという点では、菅野との2度の投げ合いでどちらも負けてしまったので、そこの印象も影響しそうですね」

──大野投手は国内FA権を取得したことで去就が注目されていましたが、早々に残留することを正式に表明しましたね。

「年齢なども考えると、いい選択だったと思います。シーズン中に大野と少しだけ話す機会があって『来季どうするの?』と聞いた時には、苦笑いするだけで、はぐらかされましたけど(笑)」