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ヤクルト1位木澤尚文が155キロを投げる理由。
SNSとテクノロジーを駆使して成長 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 重要なのは、ボールを変化させることではない。どうすれば相手打者を打ち取ることができるかだ。ツールによって明らかになる数値にはどんな意味が込められ、どうやって活用すればいいかを突き詰めれば、投球パフォーマンスの向上につなげることができる。

「SNSにはいろんな情報があふれていて、取捨選択がすごく難しくなってきたと思います。だからこそ、一番大事なのはバッターを抑えることだと絶対に忘れてはいけない。どんなにいいボールを投げても打たれることはありますし、逆に多少甘いところでも抑えられるボールもある。そこだけは絶対に忘れないようにと、竹内さんもよくチーム全体に話しています」

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 木澤は目標に到達するまでの道筋や計画を立て、自分の骨肉となる要素を選んできた。投手として成長するには何が大切か。方向性さえ間違えなければ、試行錯誤しながら軌道修正していくことができる。そうした努力の仕方こそ、「頭がいい」と言われる本質だろう。

 結果、155km/hを投げられるまでになり、ドラフト1位という最高の評価を受けた。

「ここまで来られたという言い方と、ここまでしか来ていないという言い方の両方できると思います。大学の4年間で大きかったのは、逆算して、いろいろ計画性を持ちながらやるんですけど、その日その日はうまくなるために必死にやるという泥臭さと、クレバーさの両立をできたことです。自分で言うのもあれですけど、その割合をうまくコントロールしてこられたのかなと思います」

 投手として目指すところは、まだまだ先にある。いつかそこにたどり着くため、木澤は逆算しながら努力を続けている。

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