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ハム流育成法。どうやって
高卒選手を不動のレギュラーにするのか? (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

── 日本ハムでは現在、不動のレギュラーとして活躍している中田選手、西川選手、近藤選手などは高卒出身です。若手が伸びるのは、どんな土壌があるのでしょうか。

「育成の方針として"自主性"があります。自分のことは自分でやれるようになりなさいと、最初から教えていきます。たとえば、二軍で決められた全体練習があるなかで、残りの時間を使って自分で考えてやりなさいという環境をつくる。怠け癖がある選手も絶対にいるので、それができるかは人間性にもつながってくる。

 チームとして、月別とか前期・中期・後期とか、目標を書かせていました。最終目標を立てて、そこに到達するまでにどうすればいいかを書かせる。1カ月の目標を立てて、翌月、どうだったかを振り返る。二軍に選手育成ディレクターの本村幸雄さんという方がおられて、社会人としての習慣やマナーを身につけさせていました」

── 育成ではどんな特徴がありましたか。

「選手が入団したあと、キャンプからオープン戦、公式戦に入っていくなかで、首脳陣が選手ごとに育成会議をしていきます。『この選手は今このくらいのレベルなので、こういう練習をさせて技術を高めよう』という話をします。そこがうまくできて、二軍の試合で結果が出るようになれば、一軍に上がるのは早くなります。

 それにファイターズの場合、二軍のほとんどの選手を一軍に上げて経験させます。一軍というのがどういうものなのかを味わうことで『一軍はいいな。もっと頑張ろう』という気持ちになる。そういう意図があります」

── 2019年は野村選手、万波選手、今井順之助選手、難波侑平選手、姫野優也選手、森山恵佑選手(同年限りで引退)の6選手が、二軍で300打席以上立ちました。この選手には打席をこれくらい与えようと決めて起用していくのですか。

「二軍選手全員に対して、最低でも何打席立たせようと決めます。たとえば、S、A、B、Cとランクをつけて、Sの選手は多めに立たせ、Cの選手は試合には出るけど、Sの選手に比べたら少ないとか。どちらかというと、Cの選手は練習を多めにといった具合に、それぞれ数字を設定していました」

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