「股関節」改良と「サウナ」が効いた。
楽天・森原康平が絶対的守護神へ (3ページ目)
キーワードは、「股関節」である。高島氏が続ける。
「股関節の外旋が硬いと、体が前にいけません。だからストライクゾーンに強い球がいかないんです。よく学生の投手でいるのが、捕手が立っているときにはいい球を放るけれど、座ると同じ質の球を投げられなくなるタイプ。そもそも体が、指にかかっていい球が投げられる位置までいけてないんです。レベルは違えど、プロでもそういうことがありますね」
もう少し前方に体重移動できれば、身体で生み出した力を効果的にボールに伝達し、もっと質の高い球を投げられる投手がいる。身体動作の観点から、高島氏はそう指摘する。
プロに到達した投手は総じて高いレベルにある一方、長いペナントレースを戦う上で重要になるのが「継続性」だ。首脳陣にとって、安定感の高い選手は起用しやすい。その意味で股関節に柔軟性のある投手は、同じフォームで投げてボールの再現性を高めることができる。昨季、森原が1年間安定した投球を続けた背景には、そうした土台があった。
プロ入り前から4年間かけて股関節のトレーニングをしてきたことで、クローザーになった今季、森原はさらなる飛躍を果たそうとしている。高島氏が説明する。
「これまでの流れでやっているトレーニングもあるし、新たに取り入れたメニューもあります。開脚をしても以前より開くようになっているので、ウエイトでのスクワットも深くできるようになっていますね。動きのレベルが上がるなか、今年はハムストリングをしっかり強化しました」
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