「股関節」改良と「サウナ」が効いた。楽天・森原康平が絶対的守護神へ (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 広島出身の森原が共通の知人に紹介され、高島氏を初めて訪れたのは、2016年ドラフト5位で楽天に指名されたシーズンオフだった。

「体が強いし、伸びしろをすごく感じました。当時は股関節の使い方がまだまだだった割に、スピードも出るし。そのあたりは年々改善されていますね」

 山陽高校から近畿大学工学部、新日鉄住金広畑を経て25歳でルーキーイヤーを迎えた森原だが、放送関係者によると、楽天は伸びしろを評価しての指名だった。球団の読みは見事にあたり、年々、森原はレベルアップした姿を見せている。

 とりわけ飛躍したのが、プロ入り3年目の昨季だった。開幕前に初めて侍ジャパンに選出されると、ペナントレースではリーグ6位の64試合に登板し、29ホールド、防御率1.97という好成績を残した。

 森原の最大の武器と言えるのが、2500回転以上とも言われる質の高いフォーシームだ(プロ野球の平均は2200~2300回転)。近年、トラックマンやラプソードという測定機器が普及し、回転数や回転軸が注目されるなか、森原の速球の質は球界トップクラスにある。

「この4年間で球質がかなり上がっています。リリースをかなり前でできるようになっている感じはありますね」

 高島氏がそう言うように、投手にとってボールを前で離せるメリットは大きい。単純に打者に対してより近い距離でリリースできるだけでなく、身体を合理的に使えている証であるからだ。

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