巨人パーラの「サメダンス」誕生秘話。
戦力外→世界一球団の中心選手になった (4ページ目)
「グラウンドでは集中して、一生懸命プレーするのは当たり前のことですが、チームというのはクラブハウスの雰囲気もすごく大事なんです。昨シーズンは、あの球場の雰囲気がクラブハウスにも乗り移ったというか......踊っている選手もいたし、とにかくみんな明るかった。野球をするうえでベストな状態というのは、集中しながらも子どものようにプレーすることです。我々はファンからエネルギーをもらい、最高のパフォーマンスを発揮したのです」
プロの選手が子どものようにプレーするというのは、どういうことなのか。たしかに、アメリカのプロスポーツ界では「子どものようにプレーしなさい」という言葉がよく聞かれる。
もちろん、プロとして責任感ある立ち居振る舞いは必要だが、子どもの頃のように遠慮することなく、明るい姿勢を持ち続けようという意味なのだろう。ナショナルズの選手たちは、元気な子どもたちを見て、そういう気持ちになったのだという。
とくに、クラブハウスではみんな子どものようにはしゃいでいたというが、「誰がいちばん子どもっぽかったか?」と聞くと、パーラは驚きの名前を口にした。
「シャーザーです」
これまでサイヤング賞を3度獲得したメジャーを代表する投手、マックス・シャーザーである。パーラが続ける。
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