八重樫幸雄は秋山翔吾の獲得を進言。スカウト目線で重要なポイントは? (5ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――個人情報保護が徹底している現在、家庭環境についてはどこまでドラフト指名に影響するものですか?

八重樫 確かにプライバシーの問題があるから、家庭環境が指名の判断材料になることは少ないけど、経験上、父親だけ、母親だけの家庭の子はハングリー精神が強いなと思います。ハングリー精神はやっぱり強いほうがいいと思いますよ。これも他球団の選手の話になるけど、僕が見た中では八戸大学時代の秋山翔吾(現レッズ)にはすごく魅力を感じましたね。彼もシングルマザーのご家庭だったよね。

――そうですね。秋山選手はひとり親家庭のご家族を球場に招待していますね。

八重樫 いろいろ聞いたら、彼は長男で、「弟と妹の面倒を見なければいけない」というようなことを言っていたよね。それを聞いて、「今の世代にはないハングリー精神を持っているな」と感心したことを覚えています。秋山は守備範囲も広く打球へのスタートも速かった。盗塁できる技術も持っていた。当時のヤクルトは外野陣が手薄になりつつある頃だったので、「ぜひ獲得を」と推薦したけど、結局は指名に至らなかった。秋山はぜひ指名したかったな。

(第18回につづく)

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