2020.02.27

ラミレスに「へその前で打つ」練習を徹底。
八重樫幸雄が打撃覚醒に導いた

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

「オープン球話」連載第15回(第14回はこちら>>)

【「へその前で打つ意識」で一気に覚醒】

――前々回は岩村明憲さん、そして前回は青木宣親選手についてお尋ねしました。今回も「指導者・八重樫幸雄」として印象に残っている選手について伺います。

八重樫 岩村、青木同様に思い出深いのは、やっぱりラミちゃんかな?

ヤクルトで頭角を現し、巨人、DeNAでも活躍したアレックス・ラミレス  photo by Sankei Visual――現在DeNAを率いるアレックス・ラミレス監督ですね。ラミレス"選手"がヤクルトに入団したのが2001(平成13)年のことで、この時に八重樫さんは一軍の打撃コーチでした。どんな第一印象だったのですか?

八重樫 第一印象は「インサイドを打つのが上手だな」という感じだったな。バットが内側から出る、いわゆるインサイドアウトのスイングで内角のボールをはじき返すのがとてもうまかった。でもその反面、変化球に弱かった。外角の変化球の目切りが早いから、ボール球に手を出す悪いクセが気になったね。

――実際に来日当初は、アウトコースに逃げるボール気味のスライダーを面白いように空振りしていた印象がありますね。

八重樫 そうだね。アウトコースのスライダーは空振りばかりだったよ。どうしても「前で打とう、前でさばこう」とするから、ボールの見極めが甘くなってボール球に手を出してしまう。だから、つきっきりでラミちゃんとは"へその前で打つティーバッティング"を繰り返したんです。