平石洋介が明かすソフトバンクからのコーチ就任要請を受諾した真意 (6ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Kyodo News

 球団幹部やチームの首脳陣は、3年連続で日本一になった事実以上に、2年連続でリーグ優勝を逃した現実を、誰もが口にしていたのだという。平石は指導者として、あらためて背筋を伸ばした。

「とにかく『リーグ優勝しての日本一にならないとダメだ!』ってチームの想いが、ひしひしと伝わってきましたからね。それを理解したうえで『何連覇もしたい』って意欲が消えないのがホークスなんです」

 自分にできることをしっかりやろう──平石は、そう固く誓ったのである。

 ソフトバンクのコーチ就任にあたって、会見で「まずは選手を知る。コミュニケーションを図っていきたい」と話した。

 それは、「指導者・平石」の身上である。楽天時代は相手の機微も見逃さない鋭い観察眼と熱のこもった対話で、青山浩二や藤田一也、銀次ら主力選手たちから、「チームの勝利はもちろんだけど、平石監督のためにも貢献したい」と言わしめるほど、厚い信頼関係を築いてきた。

 そのモチベーターたる所以を探れば、選手時代から15年も見続けたチームというものあるだろう。だからこそ、より平石の持ち味が活かされたと言えなくもない。

 ソフトバンクでは、選手と一からコミュニケーションを図り、信頼関係を築いていかなければならない。そのことを平石に向けると、「たしかにね」と頷きながらも、新たな選手と対話を重ねることでの可能性を、すでに見出していた。

6 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る