2020.02.06

ドラ1左腕・寺島成輝、崖っぷちの
4年目。今永昇太から得た財産

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 明らかに違うなと思った。今年でプロ4年目になるヤクルト・寺島成輝の表情が、だ。

 履正社からドラフト1位で入団し、150キロを超すストレートに巧みな投球術を持つその素質の高さに、早くから一軍デビューするのではないかと言われていたが、藤平尚真(楽天)、今井達也(西武)、堀瑞輝(日本ハム)ら同期入団の投手が活躍するなか、いまだ一軍で勝ち星を挙げられていない。

4年目の今季、プロ初勝利を目指すヤクルト寺島成輝「去年も危機感を持ってやっていたつもりだったんですけど……今年は本当にやらないと、という気持ちでいます」

 毎年チャンスをもらいながらそれをものにすることができず、近年は少々焦りすら感じている。4年目のキャンプを迎えた2月1日、寺島は清々しいわけでもなく、引き締まったわけでもなく、どこが硬い表情で首脳陣の話に耳を傾けていた。

 今シーズンを迎えるにあたり、寺島はある決心をした。

「先輩を通して、今永さんと一緒に自主トレしてもらえないかお願いしていただいたんです。一流の、同じ左腕の投手と一緒に練習すれば、何かをつかめるんじゃないかと思って……」

 今永昇太(DeNA)といえば、最速152キロのストレートに多彩な変化球で三振の山を築き、入団してからの4年間で通算36勝をマーク。また、昨年秋に行なわれたプレミア12でも抜群の安定感を見せ、今や日本を代表する左腕となった投手だ。