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ヤクルトの高卒3人が謙虚に企む来季野望。
弱体投手陣の救世主となるか (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 8月17日の中日戦(神宮)は、梅野の成長を印象づける試合だった。1点リードの5回表、一死後から大島洋平に17球粘られ四球を出すと、続くビシエド、阿部寿樹にも四球を与え一死満塁。もはやここまでか......と覚悟したが、ここから堂上直倫を空振り三振、京田陽太をセンターフライ。この回だけで41球を投じたが、なんとか無失点で切り抜けた。

「あれは本当に長いイニングでしたね。それしか言いようがないです。そういうなかで、気持ちを切らさずに投げることができたのはよかったと思います」

昨年の春季キャンプで梅野は「将来的には伝説と呼ばれるピッチャーになりたい」と語っていた。そのことについて尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「まだまだ全然です。僕の名前がアナウンスされた時に、球場が大歓声に包まれれば、それはファンから信頼されていることなので、まずはそこを目指します。そのために原点である速くて強い真っすぐを追い求めてやってきたい。将来的には球界に名を残す選手になりたいと思っています」

 寺島成輝は、昨年秋の松山キャンプで「落ちるところまで落ちました」とプロ2年目のシーズンを振り返ったが、3年目の今季もプロ初勝利を挙げることはできなかった。

3試合 0勝0敗 防御率2.25 奪三振0 四球2

 まさに"暗中模索"の1年で、5月には二軍の戸田球場で「元気はないです。でも、イチローさんの言葉じゃないですけど、遠回りが近道だと思って、毎日悩んで考えて練習しています」と心境を吐露した。

「上がっては下りて、また上がって......というイメージですね。でも、上がり始めているとは思っています」

 ゆっくりではあるが、前には進んでいた。7月には「上を目指して、僕は元気にやっています」と話し、10月のフェニックスリーグの時には「今は三振をテーマに投げています」と明るい表情を見せていた。

 そして今年の松山キャンプ。寺島のブルペンを見ると、動作を止めることなくテンポよく投げているのがすぐにわかった。

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