日本ハム栗山監督が語るオープナー
「勝つ戦術としてやらない手はない」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

日本ハム・栗山英樹監督インタビュー(前編)

 今シーズン、65勝73敗5分で5位に終わってしまった北海道日本ハムファイターズだが、なによりも注目を集めたのは、オープナーや極端な守備シフトなど、これまで日本のプロ野球でほとんど目にしなかった戦術を積極的に取り入れたことだ。ファイターズの指揮官である栗山英樹監督に今シーズンを総括してもらうと同時に、オープナーを含めた新戦術の意図、手応えについても聞いてみた。

オープナーとして8月に中1日で2試合連続先発を務めた堀瑞輝オープナーとして8月に中1日で2試合連続先発を務めた堀瑞輝―― 2019年のファイターズ、7月を終わった時点では首位に0.5ゲーム差の2位でしたが、8月に5勝20敗1分と失速。クライマックスシリーズ進出も叶わず、3年連続で優勝を逃してしまいました。勝負の8月、いったい何が起こっていたのでしょう。

「理由はいつくかあったと思いますが、ウチは移動も厳しいし、8月をどう乗り切るかというのは毎年のテーマなんですけど、結果、そこをうまく乗り切ることができなかったということです」

―― 8月半ばの9連敗、8月末から9月にかけての8連敗......ずいぶん派手に負けました。

「連敗って、間に1つ(勝ちを)取るだけでずいぶん違ってきますし、その1つというのは、じつはそんなに大きな差がもたらすものではないと思っているんです。ただ、そこにはこれだけ勝たせてもらえなかった、連敗から学ばなきゃならなかったことがあるはずで、そこはこのオフもずっと考えているんですけどね」

―― 今シーズン、栗山監督はいくつもの新機軸を打ち出しました。たとえば極端な守備シフト、あるいはオープナーなど......そのあたりの意図をお聞かせいただけますか。

「守備シフトに関しては、データからもその効果ははっきりと見て取れるんです。だって、(内野なら)ゴロはそこに守っていればアウトにできるんですから。別に超能力を使っているわけじゃなくて、そこにいる根拠があって、そこで守っていればアウトにできる。だったらやらない手はないでしょう」

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