2019.09.18

ヤクルトは長期展望より目先の整備。
崩壊状態を救う即戦力投手が必要

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略~ヤクルト編

 56勝78敗2分、勝率.418——。正直、今年のヤクルトがこんな成績になるなど、まったく予想していなかった。昨年はセ・リーグ2位に入り、CS(クライマックス・シリーズ)ファーストステージで巨人に敗れたとはいえ、今シーズンに期待を抱かせるだけの戦力は整っていたはずだ。
※成績はすべて9月17日現在(以下同)

 事実、シーズン序盤は順調なスタートを切った。ところが、5月中旬から”魔の16連敗”を喫し、チームは一気にしぼんでしまった。その後も浮上するきっかけもないまま負けを重ね、結局は5位の中日にまで8ゲーム差をつけられるなど断トツの最下位。この責任を取り、今シーズン限りで小川淳司監督、宮本慎也ヘッドコーチの退団も明らかになった。

鳴門高校(徳島)時代は3年連続夏の甲子園に出場した河野竜生 ただ、こんなに負けても、少しだけ前向きになれたのは、打線の奮闘があったからだ。627得点はリーグ1位の巨人(630得点)に次ぎ2位。2年目の村上宗隆が35本塁打を放つなど一本立ちし、山田哲人も34本塁打、33盗塁と気を吐いた。バレンティンだって32本塁打を放っており、この3人で101本塁打。その脇を固めるベテランの青木宣親、雄平も3割近い打率をマークするなど、打線はリーグ屈指の破壊力を誇った。

 だが、3年後を考えた場合、はたしてどれだけの選手が残っているのか。言い換えれば、西浦直亨、廣岡大志、奥村展征、太田賢吾、塩見泰隆、濱田太貴、宮本丈、中山翔太といった選手が、どこまでバリバリのレギュラーとして活躍できるかが最大のカギになる。今はベテラン勢が奮闘してくれているが、野手の選手層は決して盤石ではない。数年先を考えれば、野手だって喉から手が出るほどほしい。

 とはいえ、今のヤクルトを見れば、どう考えたってほしいのは”投手”だ。まず、ここ3年間のドラフトで獲得した投手と、今シーズンの成績を見てみたい。