ロッテがホームランラグーン設置で激変。本塁打増より外野守備に注目

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

 ロッテの急変ぶりが話題になっている。

 4月15日の時点でチーム本塁打数は21本。これはソフトバンクと並び、リーグトップの成績である。このまま本塁打を量産し続ければ、1988年に巨人が記録したシーズン本塁打記録の259本を更新する可能性すら出てきた。昨年は12球団最少のチーム本塁打数(78本)だったロッテに、一体、どんな変化が起きているというのか。

「(ホームラン数は)絶対に増えると思いますよ。それは間違いないと思います」

 開幕前、きっぱりとそう言い切ったのは、外野手の荻野貴司だ。その要因として一番に挙げたのが、今年からロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアムに新設された"ホームランラグーン"の存在だ。

 両翼99.5メートル、中堅122メートルのこの球場は、これまで外野スタンド場外のはるか後方に広がる東京湾から吹きつける風の煽りもあって、もっとも本塁打が出にくい球場とも言われていた。

ポテンヒットになりそうな打球を好捕するロッテ・角中勝也ポテンヒットになりそうな打球を好捕するロッテ・角中勝也 それが今回の改装により、外野フェンスが最大で4メートル前にせり出す形となり、いわゆる"ラッキーゾーン"が設置された。右中間および左中間の打球は、東京ドームやヤフオクドーム同様、オーバーフェンスしやすい仕様に変わったというわけだ。

 4月11日までにロッテが戦った11試合中、ZOZOマリンでの試合は5試合で、本塁打は8本。相手球団の本塁打数(8本)も合わせれば合計16本。5試合で16本塁打というのは、間違いなく「ホームランが出やすい球場」になったことを証明している。

 一方で、ZOZOマリンで行われた3月29日からの開幕3連戦ではバッテリーの配球面でこんな傾向も見られた。

 ラグーン新設でホームランを意識するあまり、ボールを低めに集めようとしすぎて四球を連発。30日の試合は9四球、31日は8四球と乱れた。

 31日の試合後、ロッテの井口資仁監督は「昨日、今日と四球が多いのが気になる。球場が狭くなった分、少し慎重になりすぎている」とバッテリーに苦言を呈した。

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