2018.10.11

「青木宣親は別人になっていた」
小川監督が明かすヤクルト再建の全貌

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今シーズン、ヤクルトは75勝66敗2分という成績を残し、セ・リーグ2位に入った。優勝した広島とは7ゲーム差をつけられたが、前年に96敗したことを考えると、見事な”再起”を果たしたと言ってもいい。4年ぶりにチームの指揮を執った小川淳司監督に今シーズンを振り返ってもらった。

4年ぶりにヤクルトの指揮を執り、チームを2位へと導いた小川淳司監督―― チームを率いるにあたって、最初に考えたことはどんなことでしたか。

「今回監督を任された時に、まずチームの方向性を考えました。自分がアドバルーンを上げるわけじゃないですけど、『執念を持って、スモールベースボールで1点を取りにいこう』と。これは、自分がシニアディレクターとしてスタンドから試合を見て感じたことが基本となっています。

 リーグ優勝した2015年は選手たちに躍動感があり、頼もしく感じました。逆に去年は、淡々と試合をこなしている雰囲気がありました。それは一目瞭然で、それではいけないと。選手起用に関しては、二軍監督を9年、一軍でも4年半ほど経験させていただき、その部分はそっくりそのままです」

―― 今シーズンは逆転勝ちが38試合。とくに9回における得点は見る者を興奮させました。

「選手からは、キャンプ、オープン戦から1球に対する執念が感じられましたし、交流戦以降の戦いでは最後まであきらめないことが結果としても出たと思います」

―― スモールベールボールに関しては、シーズン前半と後半で変化があったと思います。とくに後半の初回の攻撃は、1番の坂口智隆選手が出塁し、2番の青木宣親選手の長打であっという間に先制を挙げるシーンが何度もありました。攻撃的スモールベースボールと呼べばいいのでしょうか。

「シーズン序盤はバントを多用したりしてましたが、青木を2番に据えてから少し方向転換はありました。ただ、2番打者がバントをしないから『打ち勝つ野球』に転じたわけではないです。バントはあくまで作戦のひとつであり、状況によって作戦は変わります。

 青木を2番にした場合、打たせた方が得点の確率が高いということで、今の攻撃のカタチになっているわけです。やっていることはスモールベースボールです。つないでいく意識は、打撃コーチがミーティングで常に言ってきかせていますし、選手たちの意識も間違いなくその方向です」