あの顔にマスクはもったいない。
捕手→投手へ浅尾拓也コンバート秘話 (3ページ目)
プロの世界でたしかな実績を積み、立場も変わった。当然、大学生の時には想像もできなかった額のお金も手にしたはずだ。それでも、浅尾が変わることはなかった。
そんなことを考えていると、以前にした浅尾との会話を思い出した。彼が大学4年の、ちょうど名が知られ始めた頃だったと思う。会話の途中、ふと「モテるでしょ?」と聞くと、「そんなことないですけど......」と言い、真顔でこう続けてきた。
「でも、自分のことを『野球の浅尾』だと思って近づいてくる女の人は、ダメなんで......」
その時の口調は、引退会見での「悔いはないです」とまったく同じだった。
実際、モテたに違いない。でも有言実行、その後、高校時代からお付き合いしていた女性と家族を築いた。まさに、絵に描いたような"外柔内剛"。
今後のことは正式に発表されていないが、きっと指導者として後輩たちの育成に力を注ぐだろう。見た目はスマートでも、芯は強烈にしぶとい"後継者"を育ててほしいものだ。
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