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リーグ3連覇のカープに會澤翼あり。
チームに一体感をもたらした男気 (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

"打高投低"のチームでは野手の発言力が高まり、投手の立場が弱くなることが往々にしてある。投手と野手の軋轢や摩擦はマイナスにしか働かない。低迷期をさまよっていた広島がそうだった。

 わずかな歪みが取り返しのつかないことになりかねない。それを肌で感じている新井や石原の両ベテランと食事をともにしながら、広島の伝統やチームとしての在り方などを継承してきた。だからこそ、選手会長就任時にも「一体感」を掲げ、シーズン中も大切にしてきた。

 リーグ3連覇達成までのターニングポイントはいくつかあるだろうが、會澤の選手会長就任もそのひとつだったと言える。

 正捕手として、打者として、選手会長としてグラウンドに立ち続けた。体を張ってボールを止め、全身はあざだらけ。チームの模範としてだけでなく、何より「結果を残さないといけない」と胸に刻んでいた。

 自身初の胴上げ捕手となり、報われた気がした。いや、まだ終わっていない。

「2年連続で悔しい思いをしているので、気持ちを引き締めてやっていきたい」

 優勝の瞬間も、涙はない。グラウンドで見せる力強い視線は、34年ぶり日本一に向いている。

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