2018.05.05

キャンプ初日、ロッテ選手を見た
鳥越コーチは「球の扱い」から直した

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Kyodo News

【連載】チームを変えるコーチの言葉〜千葉ロッテマリーンズ ヘッドコーチ・鳥越裕介(2)

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 昨年、ロッテのチーム失策数は89個で12球団ワーストだった。守備率.984のチームはほかに3球団あるのだが、ロッテの場合は内野陣が不安定だったなか、特に7人が守った三塁で18失策、4人が守った遊撃で25失策と、三遊間で合計43失策を数えた。この数字が40を超えたのは両リーグ合わせてもロッテだけで、12球団最のソフトバンクに比べれば26個も多かった。

現役時代は守備の名手で鳴らした鳥越コーチ ゆえに、そのソフトバンクから移籍した一軍ヘッド兼内野守備走塁コーチ、鳥越裕介の手腕にかかる期待は必然的に大きくなる。「基本的には比べることはしていない」と言うが、改善に向けて何から始めたのか。鳥越に聞いた。

「キャンプから選手に言い続けているのは『練習の質を上げよう』ということです。球の扱いひとつでも、練習と試合との差があり過ぎると感じたので……。『練習というのはウォーミングアップみたいなものじゃないよ、全部ゲームと同じなんだよ。シチュエーションが違うから、100%ゲームと同じようにはできないかもしれないけど、近づけることはできる』と。その差がなければないほど、ゲームでのパフォーマンスは絶対に上がる、と僕は思っています。だから球の扱いを疎(おろそ)かにするな、ということです」

 新監督の井口資仁(ただひと)は就任早々、内野陣の改善に着手。まずは昨季、遊撃から二塁に転向しながらゴールデングラブ受賞の鈴木大地を三塁に再転向させる。送球エラーが目立ったポジションには、スローイングに安定感のある鈴木が適任と考えた。

 そして二塁はもともと守っていた中村奨吾に任せ、遊撃は三木亮、平沢大河らを争わせる方針だった。最終的に、遊撃の開幕スタメンを勝ち取ったのは新人の藤岡裕大だったが、新人で固定されるか否かはともかく、今季の内野陣は大幅に再編された。

 もっとも、新任コーチである鳥越が今年2月のキャンプでロッテ内野陣の「球の扱い」に注目したということは、再編しただけでは守備力は向上しない、ということを如実に示している。