「ポスト古田」として契約金7500万円
もらった高卒捕手が見たもの (2ページ目)
──米野さんが入団するときの契約金は推定で7500万円。3位指名の高校生ルーキーとしては破格の金額じゃないですか? これは「ポスト古田」として期待されていたんですね。
米野 当時は高校生のドラフト1位がもらえる金額が8000万円くらいでしたから、それと同等の評価をしていただいたんだと思います。
──1年目の年俸が推定700万円でしたから、球団からすれば「2、3年ファームで頑張って、一軍に上がってこい」ということですね。
米野 そうですね。高校からプロに入ってきて、レベルが違うことがすぐにわかりました。「いったい、いつ一軍で試合に出られるんだろう」と思ったほど。二軍でも相当レベルが高かったですから。
──キャッチャーは特に覚えることが多くて大変ですよね?
米野 配球やキャッチング、サインプレーなど勉強することがたくさんあります。ピッチャーごとに投球のサインが違うので、それを覚えるだけでもひと苦労でした。試合になるとどうしても焦るので、やっぱり大変でしたね。
──米野さんがプロに入ってからも自信を持っていたことは?
米野 僕は肩の強さを評価されてプロに入ったと思っていました。肩だけには自信があって、もしかしたらチームの中で一番じゃないかなと。
──プロのピッチャーで「この人のボールはすごすぎて捕れない」と思ったことはありませんか?
米野 今、スワローズの一軍投手コーチをしている石井弘寿さんです。あのスライダーは衝撃でした。ほかのピッチャーとは全然軌道が違っていて、本当に捕れませんでした。 簡単に言ったら、見えない壁にぶつかってそのまま跳ね返ってくる感じ。曲がったあともスピードが落ちない。曲がり幅も大きくて怖かった......。受けるのが難しいくらいですから、バッターが打つのはもっと難しいですよね。
──ほかには?
米野 五十嵐亮太さん(現福岡ソフトバンクホークス)はストレートも速かったけど、フォークがすごかった。
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