「プロ野球の三軍とは何なのか?」球界で一番詳しい大道コーチに聞く (3ページ目)
──では改めて、巨人の育成コーチになってからの役割を教えてください。
大道 当時、投手では育成からスタートした山口鉄也が一軍で大活躍していました。野手では、松本哲也が芽を出し始めた矢先でした。自分の役割としては、1人でも多く背番号を3桁から2桁へ変えさせるというのがシンプルな目標でした。その考え方については、今も変わっていません。
──しかし、翌2013年にはソフトバンクに移籍されます。
大道 誰それを育て上げたかとかではないのですけどね。古巣に呼び戻された格好となりました。
──ここからは三軍について伺います。ドラフトで本指名される選手と育成指名される選手に何か違いはあるのですか?
大道 あります。基本的にドラフトにかかる選手は、セールスポイントを2つ以上は兼ね備えています。打者なら長距離に飛ばす+走塁とか、投手であればコントロール+フィールディングなど、最低2つはプロレベルに到達していないと本指名はされません。
──よく育成は、一芸に秀でているとか、ロマン枠で指名するともいわれますが?
大道 それも本当です。うちの甲斐拓也がわかりやすい例です。2010年のドラフト会議は、ハンカチ王子こと斎藤佑樹投手が注目でしたね。ホークスも指名しましたが抽選を外し、結果は1位が山下斐紹、2位はギータ(柳田悠岐)、育成枠は4位で千賀、その時の最終指名6位が甲斐でした。
──甲斐選手の指名理由は?
大道 担当スカウトによると、違う選手を視察に行ったところに、甲斐が塁上へ送球する速さとコントロールを見て、一級品という評価で獲得したそうです。当時から"甲斐キャノン"は炸裂していたようですね。
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