正捕手が消えた。DeNA光山コーチが
明かす「捕手3人体制」の真意 (4ページ目)
誰が守れば勝ちやすいのか――。選ぶときの基準は「はじめにデータありき」だという。投手との相性については、たとえば、今永と嶺井、今永と戸柱、どちらの防御率がいいのかを見る。その上で相手チームはもちろん、球場別のデータも見る。そのため数字上は嶺井の方が防御率はよくても、戸柱を起用するケースもある。さらに数字には現れない「フィーリング的なもの」も含めて、誰がいいのか答えを出す。
これはまさに、2017年の広島とのCSファイナルステージがそうだった。
10月23日の第4戦、プロ初の中継ぎ起用となった今永が2イニングを無失点に抑えたが、この試合でスタメンマスクの嶺井と組んだときの防御率は1.68。この相性のよさが好投につながったと見られる。
さらに第5戦、濱口もプロ初の中継ぎ起用となり、まして捕手は初めて組む嶺井。それでもマツダスタジアムでの濱口は防御率3.00。10月19日の第2戦でも7回2失点で勝利投手となっていた。ゆえに思い切って起用できたのではないか。
実際、濱口も2イニング無失点と、専任の高城でなくとも結果を残せたのだ。「勝ちやすいのなら誰でもいい」という光山の考えが、"神継投"とも称されたラミレス監督の采配を支えていた。
「監督も、ほぼ同じ考えになってきました。『誰でもいい』って、ちょっと違うんじゃないかという人もいるかもしれないですけど......僕は、そこはまったく気にしないですね」
(=敬称略)
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