「日本で控えってウソだろ?」
乙坂智がメキシコで大絶賛された打撃術 (2ページ目)
メキシコ第2の都市・グアダラハラ。この町にチャロス・デ・ハリスコというチームがあるのだが、そこでプレーしていたのがアガスティン・ムリーリョとジャフェット・アマダーの楽天コンビ(ムリーリョは2015年に在籍)だ。彼らは日本人選手のウインターリーグでのプレーについて、こう口を揃える。
「実際にプレーして、日本の野球のレベルは知っているからね。日本人選手がこのリーグで活躍するのは不思議でもなんでもないよ」
とはいえ、メジャーリーガーも少なからず在籍するメキシカンリーグで、日本人選手が活躍するのは容易なことではない。
実際、この冬のシーズン、楽天のオコエ瑠偉、ルシアノ・フェルナンドのふたりも参加していたが、オコエは早々にリリース(戦力外)を言い渡され、フェルナンドもシーズン序盤はスタメンに名を連ねたものの、2割そこそこの低打率が続き、ベンチを温めることが多くなった。
そんな中、乙坂はシーズン途中からの参加ということもあって規定打席には届かなかったものの、打率4割を超える成績を残したことはメキシコ球界に衝撃を与えた。
「日本のチームでは、まだベンチだって!? 彼を(スタメンで)使わないなんて、何を考えているんだい」
乙坂の日本でのポジションを知って驚きの声を上げたのは、チャロスに在籍するアメリカ人投手、ウィル・オリバー。かつてはヤンキースのプロスペクト(有望株)で、現在、夏は独立リーグ最強と言われているアトランティックリーグでシーズンを送る選手だ。そのオリバーの今冬シーズン最初のマウンドは、奇しくも乙坂のメキシコデビュー戦だった。
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