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「日本で控えってウソだろ?」
乙坂智がメキシコで大絶賛された打撃術 (3ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「いきなりやられたよ」というオリバーの言葉通り、乙坂はこの試合で3安打、3得点と大活躍。衝撃のメキシコデビューを果たした。

「とにかくボールに対するコンタクトがいいね。左右どちらの方向にも打てるしね。あの試合でもいきなりセンターオーバーの二塁打を打たれて、そのあとはレフトへシングルヒットを2本さ。大体、ここは3Aと同じレベルぐらいと言われているけど、乙坂はメジャーでだって十分プレーできるよ」

 かつてベイスターズのトライアウトを受けに来日したこともあるというオリバーは、乙坂の高い打撃技術に舌を巻いた。

 彼のセリフが決してリップサービスでないことは、ナボホア・マヨスで打撃コーチをしているペドロ・カステヤーノの言葉からもうかがえる。ちなみに、カステヤーノは1997年の1シーズンだけ巨人でプレーした経験を持つ元メジャーリーガーだ。

「日本でベンチに座っているくらいなら、私が(レギュラーシーズンに)コーチをしているユカタン・レオーネスに来てくれないかな(笑)」

 彼もまた乙坂の潜在能力を認め、冬だけでなく夏のメキシカンリーグでもプレーしてほしいと、そのバッティングセンスを絶賛していた。

 同じくマヨスの主軸打者として活躍しているキューバ人のランディ・アロサレナも乙坂のコンタクト力に対して「メジャー級だ」と認めていた。

 メキシコでの乙坂の評価が高い理由は、そのバットコントロールの正確さにあるようだ。メキシコは、ほかのラテンアメリカ諸国に比べて小柄な選手が多く、バッターがパワーに頼ることは比較的少ない。ピッチャーにしてもスピードボールよりも変化球と制球力で勝負する傾向があり、日本との共通点は多い。

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