ロッテ新監督・井口資仁、新春に誓う「チーム立て直しは今しかない」 (4ページ目)
シーズンを通して試合を重ねながら、監督と選手の意向がだんだんと一致してくるチームは強いという方程式も、ひとつの勝ちにこだわってきた本人の経験から湧き出てきたのだろう。
「自分が控えだったときに、『チャンスでいくぞ』とは言われていたんですけど、いついくのかわからなかった。監督の意向が読めなかったんです。なんでもっと早く言ってくれなかったんだろうと思うこともありました」
その一方で、間違いなく大きな影響を受けた人物にも出会った。ホワイトソックス在籍時の指揮官、オジー・ギーエン監督だ。
「コミュニケーションでいえば、やっぱりギーエン監督が長(た)けていました。監督が選手のロッカーまで来て、野球だけでなくプライベートな話もしてくれる」
ギーエン自身も、ホワイトソックスが88年ぶりにワールドシリーズ制覇をした年、「井口ほど野球を深く理解している選手はいない。彼がいたから優勝できた」という言葉で井口を讃えていた。井口の引退によせて、ギーエンがねぎらいのメッセージ動画を送ったことからも、いかに強い信頼で結ばれていたかがわかる。こまめなコミュニケーションをおろそかにしないという姿勢は間違いなくギーエン監督から受け継がれている。
もちろん、様々な監督のもとでプレーした経験を踏まえ、井口自身が自分らしさを探し求めてきたことが伺える。
「自分の経験の中で、選手とまったく会話しないという監督もいました。どっちがいい悪いではなく、僕はちゃんと会話できる方がいいと思っています。あとから監督が思っていたことを知っても困るし、コミュニケーションの取りすぎで損することはないと思うんです」
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