濱口、高城のコンビが見せた、「最強ソフトバンク」と戦うための度胸

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

「自分が終わらせないように、気持ちを込めていきました」

 日本シリーズ第4戦の試合後、チーム初勝利を挙げた濱口遥大はルーキーらしからぬ落ち着いた表情で、力強く言い切った。

 ここまで03敗とソフトバンクに日本一へ王手をかけられていたDeNAだったが、濱口の好投により、ようやく一矢報いることに成功した。濱口は緩急を織り交ぜた絶妙のピッチングで8回一死まで強力なソフトバンク打線を相手にノーヒットの快投を続けた。

ソフトバンク打線を完璧に封じ込めた濱口(右)と高城のDeNAバッテリーソフトバンク打線を完璧に封じ込めた濱口(右)と高城のDeNAバッテリー 試合後、ラミレス監督は濱口をこう称えた。

「よく投げてくれたし、素晴らしいのひと言に尽きる。ルーキーがこのような舞台でこれほどのピッチングをしたことは現役時代から見たことないが、決して驚いてはいない。濱口は、スタミナはもちろん、ハートが強い選手だからね」

 その濱口は、冷静な口調でこう語った。

「集中しすぎて、調子がいいのか悪いのかさえわからないほどでした。とにかく、いろんな配球をしなければいけないと、すべての球でしっかりと腕を振るという意識でした」

 この試合、DeNAバッテリーが細心の注意を払ったのが、1番の柳田悠岐だ。ここまでの3戦。第1打席で柳田に出塁を許し、先制点を奪われ、ゲームのペースを握られていた。

 今年、シーズンを通して濱口とバッテリーを組んでいたキャッチャーの高城俊人としても、柳田の出塁だけは避けなければならないと心に決めていた。

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