DeNAラミレス監督の「頑固采配」を
支える、筒香ら選手との深い絆 (2ページ目)
シーズン序盤に不振を極めた桑原と倉本を、ほかの選手に代えるという選択肢もあっただろう。青山コーチが続ける。
「そうですね。普通だったら代えていると思いますし、我々も意見はしました。だけど監督は『絶対に代えない。彼らを信用している』と言い続けていました。ブレたくないという気持ちもあったと思いますし、本当に我慢強いですよ。最終的に桑原も倉本も、意気に感じて結果を出しましたからね」
復調した桑原は7月の月間MVPを獲得し、倉本は打率.262ながら得点圏打率.342(リーグ2位)と勝負強さを発揮した。さらに筒香も8月の月間MVPに輝くなど、ラミレス監督の起用に結果で応えてみせた。
また、ラミレス監督はAクラスになれた一番の要因として「リリーフ陣が頑張ってくれたおかげ」と語ったが、救援防御率は3.90と安定感を欠き、昨シーズンに比べて継投で苦しんだ印象があった。
昨年は須田幸太、田中健二朗、三上朋也、山﨑康晃の4人が勝ちパターンで投入されたが、今シーズンは年間を通して安定した投手が少なく、ピークを見極めての起用となり、結果、5人ものリリーフ投手が60試合以上に登板することとなった。
この点についてブルペンを任された木塚敦志コーチは、長いペナントレースが終わり安堵した表情でこう語ってくれた。
「波はありましたが、何とか乗り越えてくれました。振り返れば、月間10試合以上の登板が3カ月続いて防御率を悪くしてしまった投手もいましたが、要所で力を発揮し、最後は『ヤス(山﨑康晃)につなぐんだ』という気持ちで投げてくれました。昨年はある程度固定できたリリーフ陣ですが、今シーズンは旬を見極め、どのようなスタイルでいけばいいのかを考え、歯車を合わせていくようなシーズンでしたね。
監督とは月間プランはもちろん、1週間ごと、1カードごと、1試合ごとで密に連絡を取りながらいろいろと決めていくような感じでした。リードしても接戦が多く、準備は大変でしたが、いかに失点をしないかを考え、粘り強く投げることができたと思います」
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