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あの八重樫さんが激励。「ヤクルトよ、
野球を始めた頃の気持ちに戻れ!」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 下城英悟●撮影 photo by Shimojo Eigo

「結局、二軍に落とされるのは、打つこと、守ること、走ることで印象を残せなかったということ。打席でもあっさり見逃し三振とかが多い。思い切り振って三振するのは構わないんですよ。そうすることで『ここから曲がってくるのはボールなんだ』といったように、いろんなことがわかってくる。バッテリーというのは、打者に粘られるのは嫌ですよ。僕も現役時代に代打で全盛期の津田恒美(元広島/故人)を相手に、20球以上ですかね、粘っているうちにタイミングが合って、センター前にヒットを打ったことがありました」

── 若い選手たちを叱咤激励するとしたら、どんな言葉をかけますか。

「野球を始めた頃の新鮮な気持ちで、基本に戻ってみたらどうかと。今は細かいデータが出すぎているんですよ。『次はこのボールがくる。いや、この球種だ』とか考えているから、打席でバットが出ないんです。結局、バッターというのは調子が悪いときは悩むので、そこにデータを詰め込んでもダメなんです。大胆だけど、1週間はデータを無視して、打者の意識を解放させてあげたらどうでしょうか。たとえば、この打席では真っすぐだけに狙いを絞って1球で仕留めるとか。

 交流戦が導入されたとき、パ・リーグの投手のことはほとんど白紙に近い状態だったんですよ。一応、ビデオは見るけど『このカウントではこの球種だ』といったデータはありませんでした。それで、パ・リーグの投手は真っすぐをどんどん投げてくるので、外国人選手が強くてね。ラミレス(現・DeNA監督)なんかは交流戦で成績を上げていました。一度、そういうところに戻ってみればいいと思いますね」

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