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韓国、キューバの凋落と意外な新興国。
WBCに見る世界の野球勢力図 (2ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 そして今大会ではコロンビアとイスラエルが本戦初出場を果たした。コロンビアは1次ラウンドでカナダから勝利を挙げ、アメリカとも接戦を演じるなど、着実に力をつけているところを見せつけた。

 イスラエルはソウルでの1次ラウンド初戦の韓国に勝って勢いに乗ると、チャイニーズタイペイ、オランダにも勝利し1位通過。2次ラウンドでもキューバにコールド勝ちするなど、旋風を巻き起こした。

 また、1次ラウンドで敗退したが、イタリアの躍進ぶりも目を見張るものがあった。イタリアは第2次世界大戦後からサッカーと同じオープンシステム(トップリーグから下部リーグまでレベルによってカテゴリー分けされている)による国内リーグが整備され、主力選手や国外から招いた"助っ人"に報酬を払うなど、早い時期からセミプロ化を進めており、クラブレベルでは欧州最強を誇るようになった。

 それでもナショナルチームになると、カリブ海組のプロ集団を抱えるオランダの後塵を拝することが多かったが、2010年にトップリーグをプロリーグとして、下部リーグと完全に切り離す形でイタリアン・ベースボール・リーグ(IBL)がスタート。

 MLBの資金援助もあり、プロリーグ発足に先立ちアカデミーが設立され、今大会の主力であるアレッサンドロ・マエストリ(元オリックス)やアレックス・リディ(元マリナーズ)らもここから巣立った。

 11年前、代表チームのロースターにイタリア生まれの選手は6人だったが、今大会は10人に増えた。今後はより"純度"の高いイタリアチームになる可能性は大いにある。

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