クロマティからの金言。「日本野球よ、
もっと個性を。もっとフルスイングを」 (4ページ目)
冒頭でも触れたが、クロマティは「当時のほうが日本のプロ野球はレベルが高かった」と言う。しかし95年以降、40人を超す選手が海を渡り、メジャーでプレーしている。四半世紀前、日米野球で来日したメジャーのオールスターチームに、日本の選手たちはまったく歯が立たなかった。しかし、一昨年の日米野球で"侍ジャパン"はメジャー軍団と互角に渡り、継投ながらノーヒット・ノーランを演じた。「それでも......」とクロマティは言う。
「メジャーで成功した選手は一体、何人いるんだい? たしかにピッチャーは、野茂や黒田(博樹)などたくさんいたけど、野手で成功したのはイチローだけだよ。あとは、松井(秀喜)も頑張っていたけどね。ただ、ふたりとも外野手だ。井口(資仁)や松井稼頭央? どうだろう......彼らは成功したとは言えないんじゃないかな」
ファンの中には、今の方が高いレベルにあると思っている人も多いだろう。しかし、25年前のメジャーリーグの球団数は26チームで、今よりも4チーム少ない。93年以降、チーム拡大策の中で160人ほどの"欠員補充"の必要性が出たことが、日本人メジャーリーガーの増加を招いたことは否定できない。
そして海を渡った日本人選手のほとんどは、日本プロ野球のトップスターだった。トップ選手をメジャーに奪われたリーグのレベル低下は、カリブ諸国のウインターリーグやメキシコのリーグを見れば一目瞭然である。同じようなことが、日本でも言えるのではないだろうか。
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