2016.08.03

山﨑武司が占う、山田哲人&筒香嘉智
「超ハイレベル三冠王争い」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 山田哲人(ヤクルト)の独走と思われた、セ・リーグの本塁打王争いが7月に急変した。筒香嘉智(DeNA)が月間16本塁打を放ち、形勢が逆転。筒香32本、山田30本で8月に突入したのである(8月2日現在)。シーズンは残り約2カ月。セ・パ両リーグで本塁打王を経験した解説者の山﨑武司氏に「ホームランキング」の行方を占ってもらった。

昨年セ・リーグ本塁打王のヤクルト・山田哲人 近年は、ホームランといえば外国人選手が目立っていたので、やっぱり日本人打者のふたりが本塁打王争いしているのは嬉しいですよね。しかも、ハイレベルな争いをしている。最終的に45本はいくだろうし、50本のチャンスも十分にある。日本人のパワーも捨てたもんじゃない。そういう感慨はあります。

 ふたりの特長を分類すれば、パワーの筒香、安定の山田ですね。もちろん、ともにすごい技術を持っています。まず山田がすごいのは、どんなボールに対しても自分の形でバッティングができるところです。どんな打者でも、いい角度で、いい当たりをすればホームランになるんだけど、山田は常にその状態を続けていられる。だから、完璧にとらえたホームランが多く、ミスショットが少ない。技術も相当高いし、それが3・4月の8本、5月8本、6月10本という数字につながっている。7月は4本と少し落ちたけど......。

 筒香は、7月以前と今とで打ち方が変わりましたよね。オレは「筒香はホームラン打者じゃない」とずっと言っていたんだけど、ホームラン打者の打ち方に変わっちゃった(笑)。バリー・ボンズやアンドリュー・ジョーンズがそうだったように、ホームラン打者って打ったあとに、こうやって(上体を反らすように)体がうしろにいっちゃうんですよ。今の筒香がまさにその打ち方なんです。だから、それまではラインドライブの打球が多かったんだけど、今の打球はボーンと上がるでしょ。ホームラン打者らしい弾道になった。あのレベルの打者は進化するので、打っているうちに「ああ、この感じなんだな」と飛ばすコツをつかんだのでしょう。