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「伏兵」さえも恐るべし。
城所龍磨の爆発に見るソフトバンクの競争原理 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Kyodo News

 今年の交流戦。6月3日の広島戦(マツダ)では黒田博樹から一発を放ったり、ソフトバンクが2年連続勝率1位を決めた19日の阪神戦(甲子園)では勝利を決定づける満塁本塁打を打ったり、とにかく派手な活躍が目立った。

 そのなかでも2打席連続アーチを記録した12日の巨人戦(ヤフオクドーム)に注目をしたい。

 2打席連発はもちろん初めてだったが、特筆すべきはプレーボール前のことだ。前日はナイターだったが、この日は14時開始のデーゲーム。ホームチームのソフトバンクは午前10時過ぎに全体練習が始まる。

 しかし、城所をはじめとした数人の選手はそれより1時間も前からアーリーワークで打ち込みを行なっているのだ。出場機会の少ない選手が練習に励むのはまだわかる。だが、スタメンで出続けている城所の姿があったのには驚いた。

「いい流れを壊したくなかった。球場に着いたのは午前7時30分だったかな。朝は強い方なので(笑)。球場に来たら、いつもエアロバイクをこいでまずは体を温めて、体幹トレーニングをして、アーリーワークへ向かう。今はスタメンが続いていますが、朝来た段階ではわかりません。言われるのは全体練習が始まる直前が多いです。試合に出るとか出ないとか関係なく、準備をきっちりやることが大切だと思うんです。それ以上にアーリーワークに付き合ってくれるコーチの方々に感謝です」

 翌日は東京への移動日だったが、その日も城所はヤフオクドームに現れた。

「試合後もトレーニングをしますし、体が張ったまま何もせずに1日過ごすのは嫌なので」

 とにかくブレない。継続こそ、チカラである。

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