BCリーグで戦う17人の元プロ野球選手、それぞれの「存在意義」 (2ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 しかし、イースタンリーグで2度、打率3割をマークした彼にとっては、それは到底受け入れられない結果だった。昨シーズンから福島に加入した貴規は、30本の2塁打を放つなど、「プロ」3度目の3割をマーク。今シーズンもNPBという目標に向かってプレーを続けている。

 貴規とともに福島打線の中軸を担っているジョン・ボウカーは、再び海を渡って来日しBCリーグで挑戦を続けている。巨人が日本一になった2012年の日本シリーズで2ホーマーを放ち、優秀選手に輝いた助っ人と聞けば、多くの人が思い出すのではないだろうか。再来日の理由を聞くと、「日本が好きだからだよ」というシンプルな答えが返ってきた。恋人を(日本に)残しているという事情から、シーズンオフにたびたび日本にやってくると言い、このオフも6週間を日本で過ごした。BCリーグ入りを決めたのは、ピッツバーグ・パイレーツ時代の同僚であった岩村監督の誘いがあったからだ。

「もちろん、NPBに戻ることが目標だよ。あるいは韓国や台湾からも誘いがあれば喜んでいくよ」

 巨人退団後は、メキシコでプレーしたが、楽天から声がかかり日本球界復帰。しかし、そこでも結果が出せず、昨年は古巣、パイレーツの3Aで過ごした。すでに32歳。年齢的にメジャーからはすでに見切りをつけられ、アメリカでは「3A要員」として残りのキャリアを過ごす確率が高い。アメリカにいてアジアのプロ球団からのオファーを待つより、日本の独立リーグでプレーした方が得策だと考えるのもある意味当然だろう。

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