2016.06.02

王者ソフトバンク打線に聞いた、プロ初登板・小笠原慎之介のすごさ

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Kyodo News

 最強軍団を相手に、甲子園V左腕が躍動した。5月31日の福岡ヤフオクドーム。中日のドラフト1位ルーキー・小笠原慎之介がプロ初登板初先発を果たした。

 大事な交流戦の開幕戦。しかも相手は3年連続日本一に向けて現在パ・リーグ独走中のソフトバンクだ。デビュー前日には「打たれて当たり前」などと話していたが、どうしてどうして、5回1安打1失点の快投を演じたのである。

プロ初登板となったソフトバンク戦で5回1失点と好投した小笠原慎之介

 いや、”怪投”というべきか。7四球と制球には苦しんだ。2対1で迎えた5回裏には先頭から3者連続四球で無死満塁とした。しかし、そこから堂々たるピッチング。前の打席でタイムリーを浴びた今宮健太にサードゴロを打たせて、5−2−3の併殺打に仕留めた。続く柳田悠岐は四球で歩かせたが、4番の内川聖一をセンターフライに打ち取った。日本一打線の中軸相手にこの大ピンチでホームを踏ませなかった。

 この時点で勝利投手の権利を持ってリリーフ陣に後を託したが、8回裏にソフトバンクが貫録の6連打で一気に逆転。小笠原は、勝てば球団29年ぶりの高卒新人デビュー白星だったが、残念ながらすべては水泡に帰した。

 だが、ソフトバンクとしてみれば、「試合に勝って勝負に負けた」といったところだろう。日本一軍団の目に黄金ルーキーはどのように映ったのか、証言をかき集めた。