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ルーキー今永も模索。「プロで15年やってきた選手」は何が違うのか (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 栗山巧は2001年に兵庫・育英高校からドラフト4位で西武に入団し、今年、15年目のシーズンを迎えている。

―― 栗山選手にとって、野球選手として大切にしていることは何ですか?

「僕にとって野球は、好きなことでありながら仕事でもあります。そこの区別をしっかりつける。それを大事にしています。好きなことは何となくできることが多いですよね。ほかの職種でも同じでしょうけど、自分の好きなことなら、技術があればある程度はやれてしまう。でも、僕にとって野球は仕事なわけですから、そこからもう一歩踏み込んでいく。人がやらないこと、こんなことまでやるの、と思うことを、普通にするということですね」

 2年前の夏、栗山に影響を受けたスポーツ漫画について尋ねたとき、『SLAM DUNK』(集英社)と答えた。その理由が次のようなものだ。

「寮に住んでいるときに、一度、全巻を手放したんです。でも、最近また全巻買い揃えました(笑)。『SLAM DUNK』を読んでいた頃の自分を思い出そうとして......。あの頃はもっとうまくなって、野球でメシを食えるようになりたいと。そればかり考えていました」

 その言葉からは「初心に戻る」という気持ちが伝わってきた。

「あのときは熱く語りましたね(笑)。野球が仕事になると、ある意味、無駄に割り切ってしまうことも出てきてしまうんです。『仕方ない』『できないものはできない』『やれることだけをやろう』という風に。それも必要だと思うんですけど、やっぱり諦めたらね......。守備だって、バッティングだって、走塁だって、諦めなければもっとうまくなるかもしれない。『SLAM DUNK』はそういうことを教えてくれましたよね」

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