2016.05.06

恩師が語る、岩貞祐太が「トラの奪三振王」に急成長したわけ

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 阪神タイガースの左腕・岩貞祐太がプロ3年目にして快調なスタートを切った。この春のキャンプ、オープン戦で好投を続け、開幕ローテーション入りを果たすと、今季初登板となった4月2日のDeNA戦では7回を無失点に抑え、しかも12奪三振という圧巻のピッチングを披露した。

左腕として史上初めて開幕から3戦連続2ケタ奪三振を記録した阪神・岩貞祐太

 驚いたのはそれだけじゃない。続く9日の広島戦でも12奪三振。さらに、16日の中日戦でも10奪三振と、開幕から3戦続けて2ケタ奪三振を記録。これは左腕としては史上初のことだという。その後も快調なピッチングを続け、ここまで(5月5日現在)2勝1敗、防御率0.786(リーグ1位)、奪三振46(リーグ2位)と好成績を残している。

 横浜商科大時代の岩貞はじれったい投手だった。熊本・必由館(ひつゆうかん)高校から入学すると、すぐにベンチ入りしたほどの期待の大器。2年からはローテーションの一角として、というよりはエース格としてマウンドに上がっていた。

 183センチの長身サウスポー。すらりとしたスリムなユニフォーム姿で、腕が長く、しかもしなやか。リリースのタイミングが合ったときのクロスファイアーとカットボールは、ストライクゾーンに決まっているのに、バッターボックスの打者がのけぞってしまうほどのキレ味があった。

 自分のペースで気分よく投げているときはよかった。それが、走者を出して、しかも得点圏に進んだりすると、急に落ち着きがなくなってしまう。