1球ごとにベンチで雄叫び。ホークス松田宣浩の「圧倒的熱量」 (2ページ目)
そもそも「熱男」は昨年のチームスローガンだった。ソフトバンクは毎年ユニークなスローガン(2011年「ダ」、2013年「超」、2014年「俺がやる。」など)を生み出してきたが、2年続けて同じものを採用した例はなかった。実際に今年も、別のものを用意するつもりで、一時は50を超える候補があり、工藤公康監督もその選定をしていた。だが、オフのある日に話をした際、「熱男を超える言葉がないんだよな」と顔をしかめて悩んでいた。
結局、今年は「熱男2016」で決着。その背景について工藤監督は、「今のホークスには、この言葉が合っていると思いました。勝たなくてはならない、優勝が義務づけられたチームは常に熱くなって戦うのが大事」と説明し、さらに「松田選手のガッツポーズも浸透していたし、僕自身も(「熱男2016」に決まり)うれしく思います」と言って、ニカっと笑った。
チームとファンのすべてを熱くする、まるで太陽のような存在。
松田は昨年まで2年間は選手会長としてチームを引っ張った。今年は長谷川勇也にその座を譲り渡したことで、2月の春季キャンプではウォーミングアップのランニングで集団の後方に位置取りする場面もあった。しかし、3月25日の開幕戦。アップの列の先頭、しかも3列の真ん中を陣取ったのは松田だった。
「野球選手なので、野球のときは元気を出して、あとは影を消すんです。このメリハリです。1日中元気を出すとバテてしまうので......家に帰ったら静かにしています(笑)」
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