2016.04.18

目覚めたスラッガー江越大賀。スケールは高校時代から飛び抜けていた

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 まさにこれがスターへの階段を駆け上がっている姿なのか――阪神・江越大賀の勢いが止まらない。

 ルーキーイヤーだった昨年は、56試合に出場して打率.214、5本塁打。レギュラー獲りの期待がかかった今季は、オープン戦で好調だった高山俊、横田慎太郎の後塵を拝しベンチスタートとなったが、途中出場した4月3日のDeNA戦で今季第1号を放つと、同じく途中出場した7日の巨人戦でも本塁打。さらに、今季初スタメンとなった8日の広島戦でも一発、翌日には黒田博樹から4試合連続となる大アーチを放った。彼の豪快なスイングを見るたび、6年前の夏の記憶が蘇ってくる。

4月10日の試合から3番を任されている江越大賀

「あんなすごい打球を見たのは、大阪桐蔭の中田翔(現・日本ハム)以来」

 そう言うと、わずかにニコッとしたが、それ以上の反応はなかった。

「プロ志望届を出したら、絶対にドラフトで指名される。こんなに飛ばせる右打者はいないし、肩と足もある。(志望届を)出すべきやと思うけど……」

 これには少し反応したが、言葉は弱かった。

「全国に行ったら、僕ぐらいの選手はいくらでもいますよ」

 2010年夏の長崎県大会の初戦(清峰戦)に勝利した直後、海星の4番を打っていた江越と交わした会話だ。

 この試合で江越は、両翼99.1メートル、中堅122メートルあるビッグNスタジアムのレフトスタンド最上段に超特大の一発を放っていた。140メートル級の特大アーチに、試合後、不謹慎と思いつつ、つい進路についての話をしてしまった。これまで数多くの高校生を見てきたが、あれほどすごい打球を打った選手は中田と江越だけだった。