新巨人打線の核、ギャレット&クルーズそれぞれの「日本人師匠」 (3ページ目)

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 4月11日までチームトップの10四球を選んでいることが、その教えを実践しているひとつの証だ。

 ギャレットに親身に助言を送っているクルーズも、移籍先で参考にしている人がいる。「崩れたフォームを見たことがない。きれいなスイングをしていた」という、高橋監督の現役時代の打撃フォームだ。タイミングを取る始動が早く、足を大きく上げるなど、フォームの類似点が多く、監督が現役時代にどのようにそれぞれの投手と対していたかが、大きなヒントになると明かした。「セ・リーグの不慣れな投手と対戦するとき、(高橋)監督の現役時代の存在感は大きい」と感謝する。

 ギャレットにとっては、来日1年目のシーズンは始まったばかり。ここから相手は対策を練り、緻密さがウリの日本球界はウイークポイントをあぶり出してくる。それはギャレットも覚悟している。「研究して、向こう(相手)も考えてくる。でも、その上をいきたい」と、受けて立つ構えだ。

 一方のクルーズは、泰然自若。ポイントゲッターの5番を任されていても、「打点というよりは、しっかりと自分の打撃をすることが大事。センター返しの意識でいきたい」と、力むことなく言った。

 メキシコ出身のクルーズはラテン系で、いつも明るく、盛り上げ役だ。対照的にギャレットはもの静か。表面上も異なる2人だが、打者としての立ち位置も「タイプが違う」とギャレットは見ている。

 ギャレットは打てる球をじっくりと待ち、一球で仕留めようとする。反対にクルーズは積極的に打ちにいき、少々のボール球でもうまくヒットにしてしまう。いろいろな面で異なる特長を持つ2人が4、5番で並ぶ打順がうまくかみ合えば脅威を与え、相手バッテリーは神経を使う。はまれば、絶妙なコンビになる可能性を秘めている。

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