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森本稀哲「引退試合の奇跡」を生んだ、プロ17年間の全力プレー (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi

 常に全力でプレーし、常に明るく、厳しくチームメイトとコミュニケーションを取ってきた森本だからこそ、選手は森本を慕い、チーム関係者は引退試合という場を用意したのだろう。西武での2年間を振り返って、森本はこう語った。

「僕は行くチーム、行くチームが自分にとって本当のホームグラウンドだと思っていました。たまたま最後の2年間は、それがライオンズで、自分のなかでも心身ともに充実した2年間でした。日本ハム時代に2006年、2007年と優勝しましたけど、その2年間と同じくらい、濃厚な時間だったのかなと思います」

 最後は笑顔でユニフォームを脱いだ森本稀哲。その野球人生をさらに辿ると、体毛がすべて抜けてしまう病気にかかった幼少期のコンプレックスや、勝利にこだわった帝京高校時代、日本ハム時代の壮絶なポジション争いなど、今の森本を形づくる数々の出来事があった。

(つづく)

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