藤川球児が語った「タテジマの誇りとタイガースへの想い」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito 寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi

藤川 自分のパフォーマンスを出す能力がなかったですね。そこはセットアッパーになって、すぐ「これだ!」とわかった。クローザーをしているとき、球団に「先発をさせてもらえませんか?」と伝えたことがあった。(2007年に)セ・リーグでクライマックス・シリーズ(CS)が始まり、そこを勝ち抜くには先発投手がすごく大事だという認識がありました。だから、自分で責任を背負いたいと。

中谷 今もその思いはある?

藤川 もちろんあります。あとは年齢や故障との戦いになるでしょうね。そこを経験で補いながら、平均点の高い投球をしていくと思います。

中谷 高知での半年間で先発をやっていたけど、得るものがあったのでは?

藤川 プロの世界で先発するために、高知で投げていたわけではないです。でも、結果的にNPBに戻ってきて、先発するということになったことは大きかったですね。

中谷 独立リーグの野球は楽しかった?

藤川 僕は野球が好きで、常にうまくなりたいという思いでやっていました。自分が楽しいと思える野球であれば、場所はどこでもよかった。高知でもタイガースでも、ユニフォームを着ている限りそれは変わりません。野球はどこでやっても同じ。ただ、もし独立リーグのチームとNPBの一軍が試合をしたら、絶対にNPBのチームが勝つとは限らない。NPBにしてみれば、負けてはいけないという思いがあるかもしれないですが、野球というスポーツは全部勝つことなんて不可能なんです。仁さん、ダルビッシュ(有)やマー君(田中将大)が高校生相手にノーヒット・ノーランをすると思いますか?

中谷 正直、難しいと思うな。

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