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オリックス金子千尋、5度目の開幕投手を前に語る「エース論」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 オリックスのエース金子千尋は、オープン戦で3試合(15イニング)に登板し、失点はわずか1。順調な調整を経て、自身5度目の開幕マウンドに上がる。メジャー移籍も視野に入れたFA宣言から残留となった昨年は、右肘骨棘除去手術の影響で戦列に復帰したのは5月末。結局、16試合に登板して7勝6敗という結果に終わった。決意を新たに挑む12年目のシーズン。今季初登板を前に秘めたる思いを聞いた。

自身5度目の開幕投手に指名されたオリックスの金子千尋自身5度目の開幕投手に指名されたオリックスの金子千尋

―― オープン戦は極めて順調に見えました。

「僕自身はそこまで順調とは思ってないです。まあ、悪いところはなく、普通にやれたという感覚ですね。去年のいま頃はヒジの状態が悪く、投げられない葛藤を抱えていましたから。痛みや違和感がないので、精神的にすごくいい状態にあることは確かです」

―― 順調過ぎて、逆に不安になったりしないですか。

「今年に限らず、不安はいつも持っています。それは、いつケガをするかわからないという不安がいちばんですけど......でも不安があることで、練習にしっかり向き合っていける。2011年に初めて手術をしてから、そういう考えがより強くなりました」

―― 開幕戦をどのようにとらえていますか。

「若かった頃は開幕に合わせるという気持ちが強かったですけど、今は変わりました。特別な試合であることに変わりはないですし、もちろんその気持ちは持っています。でも、シーズン後半のことを考えると、言葉が適当かわかりませんが、たかが1試合になる」

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