「中継ぎのスペシャリスト」谷元圭介を侍ジャパンの秘密兵器に! (5ページ目)
普段の谷元の仕事ぶりを見ていると、つくづく、日本代表にはこういうピッチャーが必要なのではないかと思う。野手のバックアップ・プレーヤーは、複数のポジションを守れるユーティリティの選手が優先されるのに、投手に関してはそういう発想がない。ユーティリティがひとりいてくれるだけで、どれだけブルペンワークが楽になるか。谷元には国際舞台で日の丸を背負いたいという想いはあるのだろうか。
「もちろん、あります。今年、春のキャンプをアリゾナのパドレスの施設でやったんですけど、そこにパドレスの斎藤隆さん(侍ジャパンの投手コーチ)がいらしていて、『本当は谷元みたいな選手を入れたいんだけどね』とおっしゃっていただいたんです。そのとき、自分の中で『おっ』という気持ちになったんですよ。想像以上にうれしくて(笑)、よし、もっとインパクトのある結果を残していけば、侍ジャパンに選んでいただけることもあるのかな、という気持ちになりました」
国際試合を勝ち抜くために勘違いされがちなのは、28人の選手が日本野球の“ベストメンバー”でなければならないという思い込みだ。しかし、国際大会では日本の選手の能力に順位をつけて、上から順番に選ぶべきではない。必要なのは、役割ごとに仕事の数を割り出し、その仕事の枠に向いたピッチャーをはめていく作業なのだ。
第4回WBCを、これまで通り13人の投手陣で臨むとするならば、先発5人、セットアッパー2人、抑え2人、ロングマン1人、左右のワンポイント1人ずつ、そしてユーティリティに谷元――悪くないアイディアだと思うのだが、どうだろう。
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