OB藪恵壹がズバリ言う。「超変革」金本タイガースの期待と弱点 (5ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Tomohiro Motonaga
  • photo by Kyodo News

―― どのような捕手がいい捕手と言えるのでしょうか。

 インサイドワークのいい捕手、打撃の好きな捕手、いろいろなタイプがいていいと思います。もちろん試合に勝てれば、です。勝てない捕手はなかなか使ってもらえません。チーム成績=捕手の実力ですから。

―― 金本監督は、選手としての実績(通算2539安打、476本塁打、1521打点)は素晴らしいのですが、指導者としての経験がありません。采配面で不安はありませんか。

 采配の経験がないのは事実です。だから、キャンプやオープン戦でたくさん失敗したほうがいい。失敗をしていくうちに、答えが見えてくるはずです。投手交代や代打起用などは、初めからうまくできる人はいません。何度もチャレンジして、確かなものを手に入れるのが金本監督は得意ですから。

―― 藪さんと金本監督は同学年、かつて同じ釜の飯を食った戦友です。どんな監督になってほしいと考えていますか。

 監督はやはり、勝たなきゃダメですよ。育成も大事ですが、勝てる監督になってほしい。勝たないと絶対に選手は育ちません。

プロフィール
藪 恵壹(やぶ けいいち)
1994年 阪神タイガースにドラフト1位で入団。エースナンバーの「18番」(02年に4番に変更)をつけ、新人王を獲得。オールスターにもファン投票で選出された。低迷する阪神を支え、11シーズン在籍。04年、メジャー挑戦のためFA宣言。05年はオークランド・アスレチックスで40試合に登板し、4勝0敗1Sの成績を残した。06年、コロラド・ロッキーズと契約するも同年3月に退団。その後、メキシカンリーグを経て、08年、サンフランシスコ・ジャイアンツでメジャー完全復活。60試合に登板し、3勝6敗、防御率3.57。10年、日本球界に復帰して、楽天の中継ぎ投手として11試合に登板。同年限りで現役引退、11年~13年は阪神タイガースの投手コーチを務めた。現在は、プロ野球解説者(毎日放送)として、テレビ、ラジオなどで活躍中。

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