元世界一・里崎智也に聞く「日本代表の正捕手をどう育てるか?」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Getty Images

 もちろん、捕手は固定した方が望ましいんですけど、それができない場合は少なくともバッテリーだけは決めた方がいい。投手もキャッチャーがコロコロ代わってしまうのはやりにくいと思います。

 ただ、捕手を固定できない理由は打てないからなんです。これまでWBCで正捕手を務めた私、城島、阿部の3人はそれなりに打撃でも結果を残しました。だから使われたんです。それだけです。

 そういう意味で、今回の3人は物足りないですよね。プレミア12もそうでしたが、シーズンでも打率は2割5分に届かず、ホームランも1ケタ。彼らに限らず、今は本当に打てる捕手がいなくなったと感じます。

 僕が捕手を評価する時の優先順位は、「打てる」ことが一番です。もちろん、「捕る」「止める」「投げる」ことが一軍レベルにあるということが大前提にありますけど。これまで名捕手と言われた野村克也さんや田淵幸一さん、古田敦也さん、谷繁元信さんなど、みんな打っていましたよね。

 よく捕手はリードが大事だと言われますが、それ自体、定義がないですから良いも悪いもないと思うんです。すべては結果なんです。勝てば官軍、負ければボロカス(笑)。勝てるチーム、強いチームにいるのが、いい捕手ということになるんです。

 ただ、誤解してほしくないのは、先程リードに定義はないと言いましたが、配球を考える上で必要不可欠なものはあります。

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